薪の明かりに浮かぶ姿勢のカッコよさは3割増
連休最終日、母が薪能に野村萬斎が来るので観たいといってチケットを取ったので薪能を見てきた。
薪能とはその名の通り夕方から薪を焚き屋外にセットした能舞台で薪の明かりで能を鑑賞する雅な催し物だ。
今回は能「土蜘蛛」と狂言「長光」のセット。狂言のほうのシテ(主役踊り手)に野村萬斎が出るらしい。
母はミーハーなので野村萬斎目当てで観に行った。
屋外でやるので天候が悪い場合は公会堂に変更になるので、直前まで黒い雲と通り雨にひやひやしたけれど無事に雨もやみ30分遅れて開場して薪の明かりで鑑賞できることに。
会場になる称名寺は大きな池と橋が雰囲気を出していて景観がいいので公会堂で見るよりは断然こっちのがいいと思う。
能舞台は銘木の前にセットされてちらっと見える橋とともに背景はばっちり。
狭いスペースに桟敷席と椅子席で1000人ぐらい入っているらしい。
当日券もあったらしいけどたぶんスペース的に100人分もないんじゃないかなぁ。
指定席なのでなるべく見やすい正面にとってみた。
薪の前の席は火の粉が飛んでいたっぽいので要注意。
火入れした後の舞台。
薪の点火式で本堂から火を運んで来るのも地唄?を歌いながらで演出がよかった。
狂言はわかりやすくて面白いけれど
能も今回は土蜘蛛ということで割と歌舞伎っぽい仕掛け満載で見ごたえがあった。
蜘蛛の化け物が偉い人をとり殺そうとして、返り討ちにあうお話なんだけど
蜘蛛との戦闘シーン(?)が蜘蛛が糸の紙吹雪をわさーっとなんども出すは、
それを刀で切りつつ立ち向かう討伐隊との捕り物が派手で素人にもわかりやすい面白さがあった。
野村萬斎もその他能の登場人物もおじいちゃんやらおっさんやら遠目に見てもイケメンて感じではないけれど、
姿勢や所作がびしっとしていてとってもかっこよかった。
ああいう大人になりたい、もう大人だけどね。
閉演時間にはもう真っ暗で舞台はスポットライトで明るかったけど境内は真っ暗。
でも橋や本堂がライトアップされていてとてもきれいだった。
しだれ桜や染井吉野の木もあったので来年は桜の咲く季節に来たいなぁ。